離婚協議書の作成に当たり、夫婦間で言い分が食い違いなどの場合は、行政書士案件ではなく弁護士案件となるなど、紛争性の有無によって扱う資格者が異なる。これは8士業それぞれが持つ独占業務の守備と確保のためにそうなっています。
しかし、離婚協議書は作成している過程で、「やっぱり〜とか、こういう約束だった」などとすんなり行かないのが常。紛争性の全くない離婚協議書なんて存在するのかはなはだ疑問だ。こういう場合、細かい紛争や痴話喧嘩を含むものまで弁護士に途中でバトンタッチしていたら行政書士は仕事になりませんよ。
これを回避するためには、項目ごとに、夫婦両者にそれぞれ意見の統一を図るため、事前に話し合って決めておいてくださいね。といった根回しのようなことが有効です。
行き当たりばったりで、「この財産はどうしますか?」などとやっていたら、いつまで経っても協議書は完成をみない。
行政書士は、喧嘩の仲裁役ではなく、書類の作成が本分です。痴話喧嘩に首を突っ込み仲裁するなんてのは、デリカシーのある人間にできることじゃないでしょう。そこは、事前に話し合って決めておいてくださいね。といって紛争の火種を先に潰しておくことが行政書士にできることの次善の策でしょう。
言い争いが始まったら、中立的な立場で決着がつくのを見守るしかないでしょう。
そもそも紛争性云々より、元より、夫婦二人が話し合って決めるべきことで、他者が口を挟む問題でもない。紛争になりました!さて出番だと弁護士がしゃしゃり出るのも余計なお世話というものでしょう。明らかに不公平で無理な言い分をどちらか片方がしていたのなら、それは、常識の線で判断すべきこと。できないのなら弁護士が仲裁するしかない。
しかし、最良の策は痴話喧嘩が大紛争に発展したのなら、無理に介入して整理すると禍根を残すため、飽くまで時間をかけて2人で合意を目指すことが第一かと思います。元々は他人ではない2人のこと。だからこそ離婚協議の調整は難しいとおもいます。
2023年2月1日