刑事事件被害者になった場合、加害者を逮捕してしかるべき償いをし、被害の弁済をして欲しいと言うのは当たり前の話。
しかし、警察は原則的に現行犯以外は敬遠します。これは人手不足もありますが、それ以上に、過去の真実を調べるのは大変な労力を要するので、加害者捜査は大変ですから極力やりたくないのが警察の心情です。
したがって、最も安易な方法で、捜査機関に訴える方法は被害届です。
しかし、法的に被害届は、捜査機関に対する捜査義務がないため、警察が被害届を受け取っても、捜査しない、ということができます。そのため、被害届を出したのに、警察が動いてくれない、といったことが当たり前のようにされるのは捜査義務がないからです。
しかし、一方で告訴状は、提出して受理した時点で、捜査機関に捜査義務が発生します。警察が告訴状を受け取ると、告訴状に係る調書を作成し、捜査をして、証拠書類等を検察官へ送付しなければならいこととなっています。
被害届は簡単な方法ですが、前記の理由でやはり有効な訴えではないのです。日時や場所、方法、被害の実情等文書にして警察に説明し、活字にしてあることが大切です。警察も文書行政を基本とした日本の公務員です。口頭の説明は曖昧になりがちですが、公用文でしっかり書かれた文書であれば、犯罪の事実は警察に明確に説明できます。
費用は高いようですが、文書作成の得意な行政書士に依頼して、告訴状を書いて警察署で説明することを委任することは、被害届と比較にならない圧力を警察に与えられます。泣き寝入りする前にできることがあります。
2024年7月17日